こんばんは。洞田です。
ちょいとご無沙汰いたしまして申し訳ありません。
行き当たりばったりに描いた制作過程その2であります。まあ、ほぼ参考になりませんけど、お時間があればどうぞ。
0 制作過程1の最後の状態
まず、始めに前の状態を説明しておかなければなりませんね。
制作過程1はこんな感じで終わりました。しかし、ここから大きく変わっていきます。。
1 色設計をする
色設計と大げさに言いましたが、要は上の絵に「ぬりえ」をしたわけです。色相環とか特に難しいことを考えていたわけではありません。行き当たりばったりですからね。
しかし、ここで私の頭の中に疑問がわきました。なるほど、アールヌーヴォー様式ならば曲線で構成される植物などを配置するべきですが、キャラクターが椅子に座っています。しかも直線で構成される堅そうな椅子です。モダニズムっぽいですよね。
さらに、椅子とうっかり描きこんでしまった背景のランプ?などから、絵の真ん中部分は室内と思われ、絨毯まで敷いてあります。
それなのに、木の枝とヤドリギがかかれる上部と下の植物の前景は室外を暗示しています。
これはよろしくない!!
私の中の整合性が、咆哮を上げました。
「キャラが椅子に座っている構図」がメインなのですから、この場合、植物を取っ払うのが順当でしょう。そこで、改めて上部と前景を描き直し、色を塗ったのが次です。
この時点で、私の中のこの作品のイメージはミュシャから離れ「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」となりました。主に色のせいです。
ちなみに、室内のオブジェクトを書き足すというより、「蝙蝠文様の装飾」と「壺型の枠線加工」という横着をしました。。
2 主線(オモセン)を引く
1で塗り絵した下書きを薄くして、主線を引きました。ペン入れの仕方は人それぞれかとおもうのですが、まあ、私のやり方を述べますと、私はSAIを普段使っています。
SAIでは、絵の各パーツごとに「ペン入れレイヤーでの曲線・直線ツール」と「フリーハンドの鉛筆」を使って描いていきます。家具とかそういった直線っぽいものはペン入れレイヤーが得意ですし、 人体にしても長い髪や脚線など「単純だけど慎重な操作」が求められるものはガンガン曲線ツールを使います。手って意外とぶれるんですよね。一方、細かい所はフリーハンドが便利ですから、こうした使い分けになっています。
おっと、そうそう。直線・曲線ツールの線とフリーハンドの線が混在すると、違和感があると思われる方がいるかもしれませんが、私は、その場合、「直線・曲線ツールの線の端にフリーハンドの線でインクだまりを足したり」、「ちょっとがたつかせたり、変なところで線を太くしたり痩せさせたり」して「無味乾燥なベジェ線」をフリーハンド
ぽくしています。卑怯ですね。
3色を塗る
色を塗ります。私の思春期はキャライラストと言うのは全て「アニメ塗」と呼ばれるものでした。(しばらくして「エロゲ塗」が出てきます)したがって、私が気を抜いて普通に塗るとほぼアニメ塗になります。
このアニメ塗に技量は要らないものでして、ただ単純に「影の形」を見極めることができれば後は作業です。
たぶん、皆さまは今どきのイラストチックなものを求めていると思うのですが……ともあれ、アニメ塗の流れだけ描いて置きましょうかね。
- まず、色ごとに「べた塗レイヤー」を用意して、陰影をつけないべた塗を行う。
- 次にそのレイヤーの上にべた塗にクリッピングマスクした「影レイヤー」を作成し、影の形を決めてマットに塗ってしまう。
- さらにそのレイヤーの上に、同じくクリッピングマスクした「光レイヤー」を作成し、光っているというか、色が明るくなる部分の形を決めて、それもマットに塗る。
- これだけだと微妙になるので、やっぱりクリッピングマスクした「調子付けレイヤー」を作成し、大き目で薄めにしたスプレーで調子を付ける。※調子を付ける、とは人体で言うと膝小僧のうっすらとした赤みとか、そういう②③でカバーできない「ぼんやり色が違う」部分を再現するという意味です。
〇また、影や光を描いた後、これといった部分にアクセントとして「消しゴムやぼかしツールでこい色からだんだん薄い色へ、影が消えていくようにする」もしくは「光が消えていく」みたいな操作も行うと、ちょっといい感じになります。簡単ですよ、上の2と3のレイヤーに、ぼかしか消しゴムでちょちょっと悪戯してやればいいわけです。
というわけで、ひたすら色ごとにこれを繰り返して行けば完成です。
4 汚しをかける
私の場合、最後に「汚し」をかけます。いえ、かけない人がほとんどですが、私の癖なのです。ちょっと黄ばませたり、シミのような跡を付けたりします。
ということで、完成です。
まあ、今回は「やるんじゃなかったアールヌーヴォー」につきますね。背景を選択するときに、「場面を切り取る」みたいな感じで行けば、色々な制限がなかったのにと思います。あと、元々浮世絵の技法に慣れきっているので、こういうイラストを描く時に「あれ、この時どうするんだっけ」と戸惑うことが多かったです。というわけで、次回は浮世絵っぽいモノでいきたいところです。
それでは、ごきげんよう。